「Podcast広告って、本当に人を動かせるの?」
日本で音声広告の話をしていると、まだまだそんな疑問を持たれることがあります。
ところが、海の向こうのアメリカから、ちょっと驚く数字が出てきました。
米国の調査会社Edison Researchが2026年6月に発表した「The Podcast Consumer 2026」によると、週次Podcast利用者の76%が、Podcast広告を聴いたことをきっかけに何らかの行動を起こしたと回答しています。
76%。なかなかの数字です。
「行動した」って、何をしたの?
ここでいう「行動」は、広告を聴いてすぐ商品を買った、という意味だけではありません。
こうした行動も含まれています。
- Webサイトを訪れる。
- 商品やサービスを購入する。
- プロモーションコードを利用する。
- 誰かに商品をすすめる。
つまりPodcast広告が、ただ「耳に入った」で終わるのではなく、
「ちょっと気になる」→「調べてみる」→「動いてみる」
という次のアクションにつながっているわけです。
Edison Researchは、Podcastへの広告予算配分を増やした実際のメディアミックス分析についても紹介しています。
広告費全体を増やさず、一部をPodcastへ振り替えたところ、18~54歳へのリーチが41%増加したという結果でした。
Podcastは「ちょっと面白い新しいメディア」という段階から、広告の成果を数字で検証するメディアへと変わってきているようです。
Podcastは「聴く」だけじゃなくなっている
もう一つ面白い変化があります。
Podcastという名前から「イヤホンで聴くもの」を想像しますが、米国では事情が少し変わってきています。
Edison Researchによると、週次Podcast利用者の82%がPodcastを動画でも視聴しており、音声のみで聴く人の78%を上回りました。
つまり、Podcastそのものが「音声か動画か」という境界を越え始めています。
IAB(Interactive Advertising Bureau)も、Podcast広告市場の重要なトレンドとして、動画Podcastの成長や広告効果測定の進化を挙げています。
音声広告を考えるときも、これからは「ラジオ」「Podcast」「動画」ときれいに分けて考えるだけでは足りなくなってくるのかもしれません。
日本とは「えらい違い」?
こうした米国の状況を見ていると、
「日本とはえらい違いだなあ」
と感じます。
日本では、Podcast広告について「どれくらいの人が聴くの?」「本当に広告として効果があるの?」というところから説明する場面も、まだ少なくありません。
一方、米国ではその先へ進み、
「聴かれたか」ではなく、「聴いたあとに人がどう動いたのか」
まで測ろうとしています。
この違いは、なかなか興味深いところです。
でも、日本には日本の「音声広告」がある
とはいえ、「アメリカは進んでいて、日本は遅れている」と単純に考えるのも、少し違う気がします。
日本には昔からラジオCMがあります。
そして、声と言葉で商品の魅力を伝え、電話やWebでの購入につなげるラジオショッピングもあります。
「声を聴いて、人が動く」。
そう考えると、日本にも音声広告の経験はずいぶん蓄積されています。
Podcast、ストリーミングオーディオ、ラジオ。
配信方法は違っても、「画面を見てもらわなくても、人に届く」という音声ならではの強みは共通しています。
「聴かせる広告」から「動かす広告」へ
今回、米国の「76%」という数字を見たとき、最初は「日本とはえらい違い!」と思いました。
でも、少し調べてみると、もっと面白いことが見えてきました。
米国ではPodcastという新しい音声メディアを使って、「聴いたあと、人がどう動くのか」という広告効果の検証が進んでいる。
一方、日本にはラジオやラジオショッピングという、長年培ってきた「声で人を動かす」ノウハウがある。
この二つは、意外と遠い話ではないのかもしれません。
海外の新しい音声広告と、日本が持っている音声の知恵。
その両方を見ていくと、これからの音声広告の可能性がもう少し見えてきそうです。
VOICE INSIGHTSでは、これから海外の音声広告や音声メディアの動きを、少しずつ紹介していきたいと思います。
出典
Edison Research「The Podcast Consumer 2026」
IAB「2025 IAB Podcast Upfront」
